最近、金属アレルギーの人が増えています。
ネックレスのように直接肌が接する部分で皮膚の異常が出れば原因を特定するのは簡単ですが、中には歯科金属によって全身の皮膚のかゆみや湿疹を起こすことがあり原因がなかなかわからないままになっている場合もあるようです。
記事の概要
金属アレルギーがある人の歯科治療方法には対策が必要
歯科金属によるアレルギーであれば口の中で起きるのが一般的だと思われますが、実はこの歯科金属の金属イオンが長い間に少しづつ溶けだして全身に影響を及ぼすことがあります。
治療方法は有害となっている金属を除去して無害のものに変えることです。歯科金属はいろいろなものがあり、その人が何に対してアレルギーを引き起こすのかがわかれば問題のないものと交換することでアレルギーは防ぐことができます。
保険外のセラミックを使用した歯科治療も金属アレルギーの人は検討するべきでしょう。
歯科金属によって起こる症状
歯科金属によって起こる症状には口内炎、歯肉炎、口唇炎など口の中に起るものの他、全身の症状としてはアトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、ステロイド皮膚症などがあります。
歯科金属を入れたからといってすぐに症状が起る場合もあれば長い年月をかけて症状が出る場合もあり、特に後者の場合だと原因を特定するのは非常に難しいです。
場合によってはパッチテストを行う
原因が不明の長引く症状がある場合には、パッチテストを行うことが大事です。自分が何のアレルギーがあるかということを知っておくことはとても重要です。
背中や腕に金属をイオン化させたものを貼り48時間後、72時間後、7日後に炎症症状をみます。この検査は皮膚科や大学病院の専門外来に依頼すれば検査できますが、保険適用になるのは既に症状があり原因を特定するために検査を行う場合のみです。
しかし、今後治療等で金属を使う場合もあるかもしれないためお金をかけてでも検査をしておくことは必要かもしれません。今のところこういったアレルギーを防ぐ対策はこれだけなのですから。
パッチテストで陽性反応がでた物質が口の中の金属製の詰め物に含まれるかどうかを調べます。詰め物の表面を軽く擦るだけなので痛みは全くありません。
詰め物にアレルギーの原因の金属が使われていた場合
分析の結果、詰め物に原因の金属が使われていた場合はこれを除去します。アレルギーフリーの材料(セラミックやプラスチック)に交換する治療を行うのです。
これで、アレルギーが治まればいいのですが、すでに体の中に吸収されているため時間をかけて体から抜けていくのを待つしかありません。
原因がわからずに皮膚の症状に悩んでいた人にとっては原因となるものを取り除いたにもかかわらず、症状が目に見える形でよくならないということにやるせなさを感じることでしょう。
その物質がアレルギーとなるのにも時間がかかったのと同様に、症状の改善にも時間がかかるものと理解し、症状が改善するのを信じて待つこと以外にはありません。
数年で症状が改善した人の例
実際に数年で症状が改善した人の例などをみると時間はかかるけれども確実に皮膚が正常な状態へと変化していて治療が成功したことがうかがえます。
アレルギーは今でも少しづつ体からでていっているのです。以前のように原因がわからないのと違って治療ができるという点でも前進です。
特に子供が対象者であれば、これからも長い間その症状と付き合うことになります。きちんとした原因を解明し治療することで、今まで制限しなければならなっかことなどが必要なくなるなど、その子の生活面でもいろんな変化が期待できることでしょう。
大人がもしかしたらと思わなければ子供は自分の症状の原因となるものについて知ることはできません。少しでも金属アレルギーの影響が考えられるならば検査を試してみる価値はあるといえます。
今後あらゆるアレルギー物質の原因・治療が進み多くの人が自らの治療に当たれるようになればいいと思います。